「えんぴつの重さを手ではかってください」
といわれたら、どんなふうにしますか?
手のひらにそっとのせて、
重さを感じようとする方が
多いのではないでしょうか
(わたしはそうでした)。
手の力を抜けば抜くほど、
えんぴつの重さを感じられるはずです。
では、えんぴつをぎゅっと握ってみてください。
えんぴつの重さ、感じられるでしょうか?
力が入った手のほうに、意識がいきませんか?
えんぴつの話は、
からだの力を抜けば抜くほど、
感覚は鋭くなっていく、
わかりやすい例だったのですが、
お話を聞いたとき、
加藤俊朗先生の著書の一節を思い出しました。
ちょっと長いですが、引用しますね。
◎<感覚の仕組み>
からだの内外の状態を知るために感覚はあります。生体は生きていく
ためにつねに感覚というアンテナで自分を調節、制御しているのです。
(中略)感覚受容器と神経がともに正常の時にだけ、正常の感覚が得られ
ます。感覚受容器を興奮させるものを刺激といい、感じ取ることができる
最低の刺激の強さを閾値(いきち)といいます。
①閾値が低いものほど鋭敏です。
②閾値が低いと、弱い刺激で感じ取ることができるのです。
③閾値が高いものほど鈍感です。
④刺激が持続すると次第に感度が低下してくることがあります。
そして、内臓(胃、腸ほか)にも感覚があります。
満腹感、空腹感、吐き気、尿意、便意のほか、深部感覚(骨、筋、腱、
関節)とよばれるものです。からだの深い部分の緊張感、痛感、心地よさ
もまた感覚とよびます。
『呼吸が<こころ>と<からだ>をひらく』(加藤俊朗著、春秋社刊)より一部を抜粋
最初、本を読んだとき、「閾値(いきち)」の意味が
わかるようでわからないような、という感じだったのですが、
えんぴつの話を聞いたときに、
あ、このことか、
とものすごく納得がいきました。
(つづく)
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