昨日のつづきです。

服部みれいさんの『あたらしい移住日記』（大和書房刊）を読んで心に残ったこと。
１つめは死について、でしたが、
２つめは「なぜ美濃に引っ越したか」というエッセイにあった一文に
惹かれました。引用しますね。

　それよりもわたしが今感じているのは、からだが純粋になるにつれ、
　自分が必要とされる場所、より必然の生き方によりつながりやすく
　なるのではないか？　ということだ。
　　それがわたしにとっては美濃で暮らすことだった。
　　　　　　　　　　　『あたらしい移住日記』（大和書房刊）より引用

からだのことばかり考えているので、
どうしてもからだの記述に目がいってしまうのですが、
からだが純粋になるっていう表現が、すごくフィットしたんです。

からだって、よく考えると、いい・悪いでざっくりわけがちだなって。
もちろん、だるい、重い、軽い、やわらかいとか、いろんないいかたしますけど、
つまるところは、いいか悪いかに区別して、終わらせていた気がするなと。
（少なくとも、わたしはそうだった）

純粋というのは、一般的なからだがよい・悪い、という基準を超えて、
どういうからだの状態でもなりうるんじゃないか。
だとすると、意識の問題なのかもしれませんね。

純粋な意識が、純粋なからだをつくる。
それはよくわかる気がします。

純粋なからだ、、、
なんて絶妙な表現なんでしょう。
すごくしみました。

呼吸レッスンのとき、いつもみなさんの姿勢をチェックしているのですが、
最近よく思うことがあるんです。

わたしが目指すのは、みんなが等しく
きれいなS字カーブを描いた姿勢をとれるように、
ということじゃなくて、
その人それぞれのS字カーブを描いた姿勢をとれるように、
ナビゲートすることじゃないか、って。

呼吸でも整体でも、常にがいこつの骨格模型を見本に勉強しているので、
なんとなく、あの形にならないといけない気になっていたのですが、
あんな人、、、いないですよね（笑）

わたしもレッスンで骨の絵をお見せしていますが、
あれはあくまでもイメージなのです。
だって、背骨を見る機会なんて、
医師や看護師の方以外、ないですよね。

絵をお見せしてイメージをつくってもらったあと、
姿勢のチェックで骨をさわる。

頭とからだ、同時に刺激することで、背骨に対する感受性を養えるのでは、
呼吸をしながら、からだが自然に気持ちのよい姿勢をとるようになるのでは、
そんなふうに考えています。

と、話がだいぶそれたので戻します。

服部さんの場合、美濃で暮らしはじめたら、
よりからだが純粋になっていった、ということですが、
どこで暮らすか（生きるか）の選択はもちろん、
今いる場所で、呼吸したり、冷えとりしたり、散歩したり、家事や子育てをしたり、
食事を変えたり、ベランダガーデンつくったり、
そういうことを本気で、というか、それこそ純粋な気持ちで取り組んだら、
充分、純粋なからだづくりはできるな、間違いないなと、
この一文を読んだときに確信しました。

自分が変われば、場所もまわりも変わるし、
その結果、いくべきところにいって、やるべきことをやるんだろうなと。

わたしは編集部が移転するとき、美濃でこれからはじまることに
とてもとても興味があったけれど（なんせ生粋のマーマーガールですから・笑）、
東京でやりたいことが明確にあって、夫の意向ともあったので、
東京で暮らす決断をしました。
（今だに、わたしも岐阜に引っ越したと思ってる方もいるみたいですが・笑）

自然の流れでこうなって、今がある。
ワクワクする方向へすすんでいけば、またこの先、なるようになるだろうな。
そう思うと、すごくたのしみなんです。

服部さんの日記はいつも、
目の前の「今」に向き合う大切さを教えてくれます。
読んでいると、１年を振り返ったり、あたらしいことを予定したくなるので、
年末年始には、ほんとぴったりです。

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