トークショー、セミナー、勉強会など、
人の話を聞くとき、メモをとるのが好き、
というかクセになっています。
編集という仕事柄、いえ、どんな仕事だって、
メモをとることは大事なこと。
だから、なんの疑問をもたずに、
わりとていねいに、すべてをメモしてきました。
2年近く前に、加藤先生の呼吸のリーダークラスで
講義を受けているときのこと。
ふと、先生がいいました。
「みんな、メモとりゃいいってもんじゃないよ。
1日中、セミナーや講座なんかを受けたって、
印象に残ることなんて、1つか、せいぜい2つなんだからサ、
“これは! ”と思うことだけ書いときゃいいんだよ」
(いつものちょっとべらんめえな感じで)
これには「はっ」としたのと同時に、
「ほっ」としました。
これまで、往々にして、お話の内容より、
「ノートをとる」ことに必死だったことに気づいたのです。
「いま聞いた、このいい話、
書き留めてさえおけば、いつでも振り返れる!」
「いま聞いた、このいいことば、書いて覚えておきたい!」
「なにかで使えるかも!」
情熱のあらわれだと思っていたけれど、
なんだか急にケチくさく思えてきました。
ことばは、書いたそばからサラサラと流れていくし
(わたしの記憶力の問題でもありますが、、、)
ノートを振り返ることも、ふだんはなかなかありません。
その日、本当に大事だと思ったことを
「1つか2つ」もってかえれば十分。
それでいいのかと思ったら、急に気がラクになりました。
小学校から、なんべんもなんべんもおこなってきた
「すべてをノートに書く」という行為、
疑うことさえありませんでした。
その後、メモの内容が少し変わりました。
板書を少し減らして、
その分、話を聞くなかで得た気づきや
思ったことなど、書くようにして。
下を向いて書く時間が減った分、
お話にも集中できるし、
「書かなきゃ!」がなくなって、余裕があるせいか、
よいアイデアや気づきも増えたみたい。
1つか2つ、は魔法です。
写真は美濃の街。
どの道も、奥のほうにちいさな山が見えて、
癒されます。